/* */
日本不整脈外科研究会
文字を大きく 文字を大きく   文字を小さく 文字を小さく ホーム ホーム サイトマップ サイトマップ
日本不整脈外科研究会
Japanese Society For Arrthythmia Surgery
研究会の概要 代表世話人挨拶 学術集会 会員の皆様へ 入会のご案内
日本不整脈外科研究会 Top >> 不整脈とは/心房細動
一般の皆様
  • 不整脈とは
    • 心室細動
    • 心室頻拍
  • 治療方法
    • 薬物療法
      • 不整脈の薬物治療について
    • カテーテル治療
      • 頻脈性不整脈に対する高周波カテーテルアブレーション
    • デバイス治療
      • 不整脈のデバイス治療(ペースメーカー、ICD)
      • リード抜去
    • 外科手術
      • 心房細動手術の歴史的な経緯
      • 簡略化心房細動手術
      • 外科用アブレーションデバイスを用いた心房細動手術
      • 心室頻拍の外科治療
      • 心臓神経叢の焼灼術
      • 低侵襲完全内視鏡下心房細動根治手術
  • 施設会員
  • 医療従事者の皆様
  • 多施設共同試験
    • NEW
    • JGPW
  • 不整脈手術ガイドライン
 
新着情報
AF関連ニュース
リンク
 
研究会事務局
金沢大学 心臓血管外科
〒920-8641 石川県金沢市宝町13-1

お問合せ
jsas@med.kanazawa-u.ac.jp

 
不整脈とは
 
心房細動
日本医科大学付属病院 心臓血管外科 助教 大森裕也
 
心臓の働き
 
正常拍動
  「心房細動(しんぼうさいどう)」はよく聞く病名ですが、どのような病気なのかよく分からないという方も多いと思います。
心房細動について知っていただくために、まず心臓が動く仕組みについて説明します。
心臓は心筋と呼ばれる筋肉から出来ていて、4つの部屋に分かれています。心臓の上の方の2つの部屋を「心房(しんぼう)」といい、下の方の2つの部屋を心室といいます。
心臓はこれら4つの部屋がタイミングよく収縮、拡張を繰り返すことで、血液を効率よく全身に循環させるポンプとして働いています。
 
不整脈と心房細動
 
心臓の筋肉(心筋)が収縮するには、まず発電所である「洞結節」からの電気刺激が心房の筋肉へ伝えられ、心房と心室をつなぐ中継所である「房室結節」という部分を通り、左右の心室の筋肉へと伝わります。
この電気刺激の不具合を総称して不整脈といいます。
不整脈には沢山の種類があり、心房細動はそのひとつです。
  刺激電動系
 
 
心房細動 正常な電気の仕組みでは、発電所である「洞結節」からの刺激は1分間に60~100回、規則正しく起こります。
それにあわせて心房・心室も規則正しく収縮、拡張を繰り返しています。
一方、心房細動では、心房がおおよそ1分間に400~600回も不規則に動いてしまいます。
まるで「心房が震えている」ように見えます。
 
心房細動の原因
 
心房細動はストレス・飲酒・喫煙・過労・睡眠不足・脱水・加齢などが誘因となり発症すると言われています。
さらに、心臓弁膜症・心筋症・虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)などの基礎疾患がある方は、心臓に負担がかかり心房細動を併発する可能性が高まります。
また、甲状腺機能亢進症などの心疾患以外の病気に併発することもあります。
一方、上記のような基礎疾患がなく心房細動を発症した場合を孤立性心房細動と呼んでいます。
 
心房細動の種類
 
心房細動には、短時間だけ起きて元に戻る「発作性心房細動」と、ずっと持続している「慢性心房細動」の2つの種類があります。
発作性心房細動は放置すると慢性心房細動に移行する可能性があり、早期発見・早期治療を行うことで様々な弊害を防ぐことができます。
 
心房細動になると困ること
 
心房細動になると、患者さんにとって支障となる“困ること”が起こります。

1つ目の困ること
心房細動が原因で様々な自覚症状が現れる場合があります。
不規則な脈により「胸がどきどきする」「胸の不快感」「胸の痛み」などの症状の他、まれに「倦怠感」を訴える方もいます。
心房細動の自覚症状は非常に個人差が大きく、まったく無症状の人もいます。
また、心房細動は、発作の回数が少ない初期に、強く症状が出る傾向があります。
しかし、長い間心房細動を患っていて、慢性の心房細動になった患者さんでは、むしろ症状が軽くなったり、感じなくなることもあります。

2つ目の困ること
心房細動により心臓のポンプ機能が低下することで、体を動かした時に息切れなどの心不全症状が出てくる場合があります。
原因となる心臓の基礎疾患がある場合に心房細動が起こると心臓のポンプ機能が低下しやすくなります。

3つ目の困ること
心房細動が起こると、心房の中の血液の流れに“淀み”が生じ、結果として血栓と呼ばれる血液の塊ができやすくなります。 この血栓が血流によって他の部位に運ばれ血管を詰まらせます。 最も詰まりやすい血管が脳の血管で、これが脳梗塞です。

ときには脳以外の四肢の血管や腹腔臓器の血管などに血栓が詰まることもあります。
  血栓
 
 
心房細動の治療
 
心房細動の「3つの困ること」に対しては、どのような治療法があるのでしょうか。

まず1つ目の症状に対してですが、これらの多くは脈の数が多いことと脈が乱れることによって起こります。
脈の数が多いことに対しては、薬剤を服用することで、心拍数、つまり脈の数を減らすという治療があり、これを「心拍数(レート)コントロール治療」といいます。
また、脈の乱れを元に戻す治療を「リズムコントロール治療」といいます。
自覚症状が持続する場合は電気的除細動(電気ショック)をかけてリズムを正常に戻す場合もあります。

2つ目のポンプ機能の低下に対しては、原因となる心臓の病気がある場合、まずは原因となった病気の治療が必要です。

3つ目の血栓症は、起こさないように予防することがなによりも重要です。
心房細動があって、心機能が低下している方、高血圧の方、75歳以上の方、糖尿病をお持ちの方、脳梗塞を過去に起こされた方は、血栓症を起こしやすいことが知られています。
こうした方々は、抗凝固薬であるワーファリンという薬剤を服用して血栓形成を予防するとともに、日常生活での注意としては、血液が固まりやすくならないよう、必要な水分をきちんと補給し、脱水などに気をつける必要があります。
 
心房細動の非薬物治療
 
心房細動に対する治療は、薬物治療以外にカテーテルアブレーションによる内科的治療と心房細動手術と総称される外科的治療があります。

カテーテルアブレーションとは、血管にカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、心臓の内壁を焼灼し心房細動の原因となっている電気回路を遮断することでリズムを元に戻す治療法です。

メイズ手術やラディアール手術に代表される心房細動手術は、全身麻酔下に開胸し、心臓の内壁・外壁に伝導ブロックを作ることでリズムを元に戻す治療法です。
弁膜症を合併している方や血栓症の既往がある方が適応となります。

心房細動の治療を受ける際には、これらの事を良く知って頂いた上で、ご自身にどの治療法が合うのかを主治医の先生と良くご相談なさってください。
 
上に戻る
/* */